平成29年 第2回定例会(第4日)一般質問

—座間市ホームページ会議録より抜粋—
開催日:平成29年 6月13日
会議名:平成29年第2回定例会(第4日)

【質問項目】
1 ふるさと納税について
2 農業政策について

一般質問

<議長(京免康彦君)>
 続きまして、8番佐藤弥斗議員。
 〔8番(佐藤弥斗君) 登壇〕(拍手)

 議長のお許しをいただきましたので、議席番号8番、ざま明進会、佐藤弥斗、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 冒頭、議長に資料配付の許可、また、資料掲示の許可をいただきたいと思います。

 質問に入ります前に、毎年この議場にハナショウブを届けてくださっている、立野台にお住まいの荒川さんご夫妻に心から感謝を申し上げたいと思います。ことしは座間の森はまだ届いておりませんが、立野台公園の菖蒲の里のハナショウブのお世話を近隣の方々と40年間という長きにわたって続けてくださっている地道な活動に対し、グループの皆様全てに感謝を申し上げたいと思います。
 今回の質問要旨は、大項目として、1、ふるさと納税について、中項目1、本市における影響について、2、本市の取り組みについて、3、企業版ふるさと納税について。大項目の2として、農業政策について、中項目1、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想の推進について、2、農業と福祉の連携について、3、都市農業振興基本法に基づく地方計画の策定についてであります。

1 ふるさと納税について

 それでは、まず、ふるさと納税について伺ってまいります。
 多くの国民が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等、さまざまな住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。そのような中、平成19年に総務大臣から、今は都会に住んでいても自分を育んでくれたふるさとに自分の意思で幾らかでも納税できる制度があってもよいのではないかという問題提起が行われ、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度です。
 ふるさと納税制度の本来の趣旨は、善意の寄附で地方の財政を助け活性化を後押しすることにあります。この制度が創設された平成20年には、全国で納税受入額は5万3,671件で81億3,957万3,000円であり、控除金額は18億9,166万9,000円でしたが、平成27年には、納税受入額は726万93件で1,652億9,102万1,000円であり、控除金額は1,001億9,150万4,000円と約20倍となっています。当初、返礼品は各自治体として感謝の思いを込め、自主的に地元の特産品等を送っていましたが、それが加熱し、寄附の増加を当て込み、他自治体との差別化を図る中で高級品や電子マネーといった換金性の高い返礼品も出てきました。
 そこで、総務省は、平成29年4月1日付で返礼品のガイドラインとも言える新たな通知、ふるさと納税に係る返礼品の送付等についてを出し、返礼品割合が3割を超える自治体は速やかに3割以下にすることを求めました。自治体としては、返礼品競争ではなく、地域振興や課題解決への意思を訴えるべきであり、返礼品を通して自治体の魅力をアピールし、寄附者とのつながりを深めるべきであると私は考えます。具体的な施策を訴えて地域でのイベントの入場券や体験会への参加などが返礼品となっている自治体もありますが、返礼品のPRが中心となり、肝心の施策が抽象的でどのような自治体にしていこうとしているのかといった具体的な施策が見えづらくなっている自治体もあります。

1 本市における影響について

 ここで、座間市におけるふるさと納税の実績と影響について伺います。平成27年座間市に納められたふるさと納税の金額、他市町村等へ寄附された金額、また、それによる座間市の住民税の影響額をお示しください。
 お手元に配付しました資料1は、平成20年から平成26年までのふるさと納税の金額、他市町村等へ寄附された金額、住民税の影響額をお示ししておりますが、この数字は、座間市民が座間市または他市町村等へ寄附された金額であります。今回、今質問させていただきました座間市に納められたふるさと納税の金額というのは、本市、他市の方から納められた金額ということになりますので、あらかじめご了承をいただきたいと思います。

2 本市の取り組みについて

 現在座間市では、ふるさと納税としては「ふるさと座間」づくりへの支援として五つの分野、郷土愛のはぐくみへ、地域資源の発掘へ、すこやかで心豊かな生活へ、地球にやさしいまちへ、安全安心な生活へという五つの分野を定め、寄附者に選択をしていただく形をとっており、ホームページにもその内容について記載をされております。そしてまた、このような形でパンフレットもつくられており、ダウンロードができるような形になっております。今までこの周知についてどのように行ってきたのかということをまずは伺いたいと思います。
 2,000円を超えるふるさと納税をしますと、所得税は一定の計算式に沿って、また、住民税は住民税の所得割の2割まで税金が控除されます。そこで、座間市民が座間市に「ふるさと座間」づくりへの寄附を行う場合と、ふるさと納税をどこにも行わず、住民税や所得税として徴収される場合とでは、座間市に寄附をしていただいたほうが座間市の財政的には有利となり、また、その市民の方の収入にもよりますが、控除を受けられる所得階層の方であれば控除を受けられるので負担が軽減されると思いますが、その認識で正しいのかということについて伺います。
 ふるさと納税の本来の趣旨は、善意の寄附で地方の財政を助け、活性化を後押しすることです。しかし、先ほども述べましたように、近年、寄附者に贈る返礼競争が加熱しており、本来の趣旨が見失われてきているというふうに感じます。私は、本来の目的である地域をどのような形につくり上げていくのか、また、それにはどのような支援が必要なのかを明確にし、離れていてもできる支援で応援していただき、そういった善意に対して自治体の感謝の気持ちをあらわし、その事業に参加してよかったと感じられるような、また、その自治体のことを深く知っていただき、さらに愛着を持っていただくために返礼品をお返しするというのが本来の姿であると考えますし、そういった姿勢で行うのであれば、座間市としても、返礼品など新たな形でのふるさと納税を考えてもよいのではないかと思います。ふるさと納税に対する市長の率直なご所見を伺いたいと思います。

3 企業版ふるさと納税について

 全国各自治体の中には、ユニークな施策展開を行ったり、明確な目標を掲げ、寄附を呼びかけている自治体も多くあります。例えば夕張市であります。夕張市は、皆さんもご存じだと思いますが、10年前に財政破綻をし、行政マンとして東京都から2年2カ月派遣されていた職員、鈴木直道さんが地元の皆様から出馬要請を受け、都の職員を退職され、市長に立候補をし、見事当選をされました。夕張市では、ふるさと納税のPRとして、2016年、夕張市は財政破綻から10年を迎えたこの年に大きな決断をしました。これまでの市民の努力により116億円ものお金を返すことができた一方、まちから多くの人が去りました。このままでは夕張自体の存続も危ぶまれてしまう。
 そこで、夕張市は財政再建一辺倒の政策から地域再生との両立へとかじを切りました。「山積する地域課題に立ち向かい、夕張は立ち上がります。再出発、挑戦あるのみ。皆さんのふるさと納税を力に変えて進んでいきます。どうか皆さんのお力をかしてください。」と力強いメッセージとともに、夕張高校魅力化プロジェクト、子どもたちの居場所づくりプロジェクト、地産地消エネルギー「CBM開発」プロジェクト、手つかずの市有林の再生「日本一の薬木産出地」プロジェクト、ごみの山を再生!「宝の山」プロジェクトと地域再生に向けた大変明確な施策が訴えられております。ちなみに、夕張市は地域再生計画も作成しており、北海道で似鳥家具店として産声を上げたニトリホールディングスが企業版ふるさと納税第1号として5億円を寄附されました。ニトリはふるさと納税前からお世話になった北海道への恩返しとのことで、10年間にわたり、夕張市への支援を続けておりました。また、薬木産出地プロジェクトに漢方薬大手のツムラが3億円を寄附されました。そのほかにもさまざまなユニークな力強い政策を訴えている自治体が数多く存在します。例えば、福岡県宗像市、砂漠化を防ぎ豊かな海を取り戻す、岐阜県飛騨市、「廃線が生まれ変わる!新アクティビティーガッタンゴー!!に大自然を満喫する渓谷コースを」、福井県越前市、「コウノトリが舞い続けるために!」といった各地の特長を生かしたユニークで明確な施策が打ち出されており、中にはクラウドファンディングなども併用で活用している自治体もあります。こういった取り組みを参考にされてはいかがかと思いますが、当局のご所見を伺います。
 企業版ふるさと納税では、民間資金の新たな流れを巻き起こし、各地の地方創生への取り組みの実効性を高めるために、これまでの地方公共団体への寄附に比べて税負担の軽減効果が3割から6割と倍になっています。これには、地方自治体がまち・ひと・しごと創生寄附活用事業を企画立案し、その施策に対し寄附をしていただけそうな市外企業に相談をし、寄附していただけることが決まったら再生計画を内閣府に提出し、認定していただくという流れになります。地方交付税の不交付団体などはこの制度の対象になっていませんが、本市はこの制度の対象になっております。地方創生事業への積極的な取り組みが必要と考えますが、当局のご所見を伺います。

2 農業政策について

 続きまして、農業政策について伺ってまいります。

1 農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想の推進について

 国では、昭和55年に農業経営の強化を図る取り組みとして、農業経営基盤強化促進法が制定され、神奈川県では、平成6年2月に農業経営基盤の強化の促進に関する基本方針が策定され、座間市においては、平成7年2月に農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想が策定されました。座間市の農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想では、詳細な目標が掲げられさまざまな施策が明記されておりますが、この施策について総括的にはどのような形で推進が図られているのかということを伺います。
 農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想の中で幾つかの項目について伺ってまいりたいと思います。
 座間市地域農業再生協議会において、集落段階までを視野に入れた農業の将来展望とそれを担う経営体を明確にするための十分な協議、検討を促進すると書かれておりますが、座間市地域農業再生協議会は、年間でどの程度行われ、どのような内容の協議、検討がなされているのかということをまずは伺います。
 土地利用型農業による発展を図ろうとする意欲的な農業者に対しては、現在実施している農業委員会等による掘り起こし活動を強化して、農地の貸し手と借り手に係る情報の一元的把握のもと、両者を適切に結びつけて利用権設定等を進めるとも書かれておりますが、これらへの取り組みについてどのようなことが行われてきたのかを伺います。

2 農業と福祉の連携について

 農林水産省では、医療、福祉、食料、農業への連携への取り組みが始まっており、施策が展開され、厚生労働省とともに農と福祉の連携、「福祉分野に農作業を~支援制度などのご案内~」といったパンフレットなども作成がされております。これは資料の3になりますが、このパンフレットの存在を当局として国の施策展開の取り組み、また、こういったパンフレットがあることについてご存じであるのかということを伺います。また、ご存じであるならば、どのような対応を図っていらっしゃるのかということを伺います。
 都市農業の安定的な継続を図り、新鮮な農産物の供給、防災空間の確保、良好な景観の形成、国土・環境の保全、農業体験の場の提供など、多様な機能の発揮をしていくことを目的として、都市農業振興基本法が平成27年に制定されました。これは最後のページの資料4になりますが、この法律は農業経営基盤強化促進法の適用外とされている市街化区域農地などを対象とした法律で、その区域に関しては、市街地及びその周辺の地域において行われる農業として厳密な定義は置かれておらず、この法律に基づく施策の対象地域については、今後、地方公共団体が定める地方計画等の中で具体的に示されることとなっており、地方公共団体は地方計画を定めるよう努めなければならないとされております。本市におきましては、人・農地プランを平成25年に策定し、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想を平成26年6月に改正をしていますが、都市農業振興基本法に基づく地方計画の策定はなされておりません。

3 都市農業振興基本法に基づく地方計画の策定について

 ここで一つ整理をしたいと思います。資料2をごらんをいただきたいと思います。
 さきにも述べましたように、国の農業経営基盤基本法は、市街化区域は適用外となっております。これは原則適用外ということで例外もあるということでありますが、基本的には、都市計画法の考え方上、その農地は市街化区域外ということの考え方によるものでありますが、適用外ということになっております。そして、都市農業振興基本法は、市街地及びその周辺の地域という形になっており、農業経営基盤強化促進法では対象とされていない区域を補完し、都市農業の重要性に着目した内容となっております。座間市の農業については、まさに都市農業という言葉がふさわしい、狭い市域の中で創意工夫をされながら経営されている農家さんが多いというふうに感じております。ちなみに、座間市の市街化区域農地は18万2,270平方メートルであります。都市農業振興基本法では、地方自治体が地方農業計画の中で策定するように努めなければならないと定められている以上、策定すべきだと考えますが、なぜ策定をされていないのか、その理由と今後の当局の地方計画への取り組みに対するご所見を伺いまして、1回目の質問とさせていただきます。(拍手)

<市長(遠藤三紀夫君)>
 佐藤弥斗議員の質問にお答えしたいと思います。
 ふるさと納税、この制度に対する私の率直の所見をということでお尋ねをいただきました。
 私、まず一言、ナンセンスだと思っています。このふるさと納税の制度は、この平成29年4月1日付でいわゆる返礼品の送付等についてということで、総務大臣から、いわゆる返礼品の抑制を意図するための通知が来ておりますけれども、ふるさとや地方団体のさまざまな取り組みを応援する気持ちを形にする仕組みとして、平成20年度税制改正によって創設された制度。そして、ふるさと納税制度という税制上の措置とは別に、各地方団体が独自の取り組みとして行っている返礼品の送付、これが起こってしまったわけですけれども、これが最近において、地方団体間の競争が加熱しているほか、一部の地方団体において、ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品が送付されているなどの指摘がなされていると。ということで、今後ふるさと納税制度を健全に発展させていくためにも、ふるさと納税に関する事務の遂行に当たって、別紙の事項に留意の上、制度の趣旨に沿った責任と良識のある対応を厳に徹底するようお願いしますという、こういう内容の一通が来ております。
 しかし、どうでしょう。今回のこの制度創設に当たって、現在の日本の社会が置かれている状況、すなわち地方の衰退、特に中山間地帯、限界集落を抱えるような地方が人口減少、高齢化に悩みどんどんどんどん力が衰えている状況が実際にあります。それに向けて地方創生、そして東京一極集中の是正ということが言われておりますけれども、これはなさなければいけない私は政策だというふうに思っております。であるならば、この政策を遂行するためには、この高度経済成長期に地方から東京へ、そして大阪、京都、神戸へ、名古屋へといったように集団就職を中心にした、出てこられた世代を筆頭に、地方から大都会へというふうに来られた皆さんが、ふと振り返ったときにみずからのふるさとに向けて恩返しをしたいという素朴なそして純粋な気持ちに頼る、善意に頼るということでいいのでしょうか。私はこういう人任せでなく、あくまでこうした格差の是正に向けては財源のあり方、そして税源のあり方、これ自体をしっかりとやはり見直す必要があるという立場におります。
 秋田県の大仙市の老松市長が先般、災害時の応援協定に基づく会議に来られた際に、これは雑談の中でおっしゃっておられました。全国学力テストで秋田県は大変すばらしい成績をおさめられている、すばらしい教育を行っていらっしゃいますね。何ておっしゃったか。そこで教えて育てた子供たちはみんな都会に行ってしまいます。教育は財産、子は宝といいながらも、その中に地方と都会との格差の淵源があるのではないでしょうか。そして、都会に来られた皆さんがみずからのふるさとに対して恩返しをしたいという気持ち、私はこれは大いにあるべき話だと思いますし、それは純粋な形でこれを捉えてなしていくべきものだと私は思います。
 そうした中で、この返礼品、寄附に対する一定の物品でのお返しというものが認められてしまう制度というのは、その本来の純粋な気持ちをゆがめる、そうした危険性を持っているのではないでしょうか。それがだんだんだんだん拡大解釈をされ、競争が加熱をされ、本来ほんの気持ちですという返礼品がだんだんだんだん高額のものになり、また、金券相当のものになったり、また、その地の特産品でもないようなものまでが返礼品として取り扱われ、ある面では、物品の送り合い、そして、それによってこのお金の分捕り合い、こういったような地方間の何とも醜い競争になっているのではないかというふうに私は思う立場です。
 埼玉県の所沢市の市長が、この返礼品の送付を取りやめられました。私は全くもってしかるべきだというふうに思います。そうしたお気持ちを持っていただいた方が我がまちにふるさと納税で寄附をいただくものは大いに歓迎をいたしますし、また、残念ながら、この12万9,000人の市民のうち9割以上の皆さんがこの座間以外にふるさとを持たれる中で、そのご自分、親、祖父母、こうした先祖の地に対して一定の寄附をしていきたいという気持ちを私は拒否することができる立場でないというふうに思っております。
 しかし、冒頭申し上げましたように、このふるさと納税制度によって地域間の財政格差の解消を委ねるというような考え方というのは、これは外道であって、この現在の返礼品競争につながっているというふうに私は思います。
 以上でございます。

<企画財政部長(小林優君)>
 ふるさと納税について5点ほどご質問をいただきました。
 初めに、平成27年度中の座間市におけるふるさと納税の実績についてですが、本市に寄附された金額は13万4,000円、他市町村への寄附金額は約7,663万6,000円、住民税への影響額は約3,532万4,000円でございました。
 続きまして、座間市ふるさとづくり基金の周知方法についてですが、企画政策課カウンターへの資料配架、市ホームページ及びふるさと納税情報サイトふるさとチョイスで取り組みを周知をしております。なお、寄附していただいた方につきましては、ご本人の了承を得た上で、広報ざま上で氏名及び寄附金の使途、金額を公開しております。
 続きまして、市民が座間市ふるさとづくり基金に対して寄附を行ったほうが本市は財政的に有利になり、控除により市民の負担軽減がされるのではないかということですが、本市が本市へふるさと納税すると、所得税、県民税該当分が本市の寄附金としての歳入となるため、その分本市の歳入はふえることとなります。しかしながら、ふるさと納税の趣旨は自分のことを育ててくれた、支えてくれた、一人前にしてくれた、ふるさとへの恩返しをしたいという思いのもと、税制を通じてふるさとへの貢献をすることにあります。その趣旨から座間市が財政的に有利になるからという考えのもとに市民から寄附を募ることは制度の趣旨から外れてしまうことであると考えております。
 先ほどふるさと納税の実績のところで、平成27年中と言うべきところを平成27年度と言ってしまいましたので、訂正しておわびいたします。
 続きまして、他の自治体の取り組みを参考にすることについてですが、常日ごろから制度の調査研究を行い、今回ご紹介いただいた事例も担当で把握をしております。有用な取り組みは今後の参考としつつも、まずは身の丈に合った施策を確実に推進すべきと考えております。
 最後に、企業版ふるさと納税についてですが、自治体が実施するまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に企業が寄附することによって寄附額の約6割が税額控除される仕組みであることは承知をしております。企業版ふるさと納税を行う場合、自治体はまち・ひと・しごと創生寄附活用事業を地域再生計画として内閣府に申請する必要があります。平成29年第1回定例会でも答弁させていただいておりますが、本市では、第四次座間市総合計画、座間市まち・ひと・しごと創生総合戦略に沿って身の丈に合った各施策を確実に推進をしているところでございます。新たな計画策定の必要性を感じないため、現時点では、地域再生計画を策定する考えはございませんが、今後策定する可能性までも否定するものではありません。事業者からの申し出等があれば、実情に応じて適切な対応を図っていくべきと考えております。

<環境経済部長(渡部稔君)>
 農業政策について答弁いたします。
 まず、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想に関し、施策をどのように促進しているのか、総括的にというご質問をいただきました。
 現在、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想に基づき、農業者や農業経営体が効率的かつ安定的な農業経営を行うことができるよう、主に農用地利用集積の促進に向けた取り組みなどについて、農業委員会、地域農業者等と連携をとりながら進めているところでございます。
 次に、座間市地域農業再生協議会の会議とその内容についてですが、座間市地域農業再生協議会は年1回総会を開催し、例年行っている会の運営についての審議のほか、農業経営基盤強化促進法に基づき提出された農業経営改善計画認定申請書について審議、検討を行っており、平成28年度においては、3人の農業者の農業経営改善計画を認定したところでございます。
 次に、農地の貸し手と借り手の利用設定への取り組みについてでございます。
 本市では、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想の規定に基づき農地利用集積計画を定めておりますが、これは農地を集約し、農作業の効率化等の促進を目的として提出されました農用地利用集積計画作成申出書に基づき、農業委員会で審議を行った後に、申し出された内容を尊重し農用地利用集積計画を定めているもので、認定農業者を中心とした担い手への利用権の設定等を行っております。
 次に、農林水産省と厚生労働省との連携した取り組みについて知っているのかというご質問でございますが、農業と福祉との連携を進める国の施策や取り組みに関しては、国や県などから情報提供がなく、その内容について十分に把握できておりませんでした。今回、ご指摘をいただいたこともございますので、今後は農林水産省のホームページを確認するなど、積極的な情報収集に努め、必要に応じ農業者にも周知してまいりたいと思います。
 最後に、都市農業振興基本法に基づく地方計画の策定についてでございますけれども、地方計画の策定は、都市農業振興基本法第10条の規定で「地方計画を定めるよう努めなければならない」となってございます。したがいまして、策定をすることを必須要件とはしていません。今後は動向を注視しながら情報収集を行い、研究してまいりたいと思います。
 以上でございます。

<議長(京免康彦君)>
 再質問ありませんか。――佐藤弥斗議員。
    〔8番(佐藤弥斗君) 登壇〕

再質問

 一定のご答弁をいただきましてありがとうございます。
 いただいた答弁に対しまして、再質問をしてまいりたいと思います。
 まずは、ふるさと納税についてでありますが、この政策についてはナンセンスだということで、市長の率直なご意見が伺えたかと思います。地方の衰退、東京一極集中の是正について、財源のあり方をこういったふるさと納税という手法で行うこと自体がいかがなものなのかというご意見、ご所見だったかというふうに思います。市長のおっしゃることはもっともだというふうには思います。
 ですが、先ほど1回目の答弁いただきましたとおり、座間市におきましては、座間市に対しましても13万4,000円の寄附があるわけでありますけれども、市外に、他市町村等に対しまして7,663万6,000円、それから、それにおける市民税の控除額ということで3,532万4,000円ということでご答弁をいただきました。この状況をこのままにしておいてよろしいのかどうなのかというのが、私は大変、心配をしております。大変、市長としては立派なことだとも思いますし、その姿勢としても立派なことだと思いますが、現にこのような状況であり、ふるさと納税をだからといって取りやめるといったような動きも国としてはないと思いますし、今、地方再生ということでさらに広がった形での企業版のふるさと納税ということを行っている段階の中で、このふるさと納税という形態については、このまま何か違う形でということは厳しいのかなというふうに率直に感じておりますので、現状のこの状況、座間市の大切な資源、財政、財源となるこの税金がそのような形で減額をされてしまっているという実態があるわけですので、そこに対してどのような対応をとろうというふうに思われているのか、その点についてご所見をお聞かせいただければと思います。
 また、ふるさと納税については、公共機関のほうに配架をされたり、ふるさとチョイスのほうでということでご答弁をいただきましたが、座間市民の中でも、先ほど答弁の中で座間市が優位になるからといって座間市にふるさと納税するのは違うということでありますが、実際に座間市に寄附をしていいものなのかということも知らない方もいらっしゃると思います。何となくイメージとして、ふるさと納税というのは市外に寄附をするものなのかな、自分の生まれ育ったところに寄附をするものなのかなというふうに感じていらっしゃる市民の方も多くいらっしゃると思いますので、もっと積極的なPRをしていってもよろしいのではないかということと思いますので、積極的なPRについてどのようにお考えなのかということを、ご所見を伺いたいと思います。
 それから、農業政策についてでありますけれども、座間市地域農業再生協議会を開催され、3名の農業者を認定をされたり、さまざまな農業政策について話し合っているということでありますが、またその国や県の動きなどの支援内容についても情報として伝えていきたいということでありますけれども、ぜひこの農業再生協議会のほうを今後、活発に行っていっていただけたらというふうに考えております。県や国の動きや、この支援内容ですとか、例えば大雪とか台風、ヒョウとか竜巻といった、以前にも大雪で農作物に多大な被害を及ぼしたことがあったと思うのですけれども、そういった自然災害が起きた際の国でその被害を補償するといった場合があると思うのですね、国の非常時の対応ということで、そういった情報伝達について、現在はどのように行っているのかということを伺いたいと思います。この再生協議会のほうで行っているのか、そのあたりについて詳しく伺えればと思います。
 また、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想に掲げられている施策を力強く推進していくためには、この協議会において施策の進捗状況ですとか課題の抽出、課題の解決に向けた取り組み、また、国や県の動きや支援の内容の伝達などを行う場となるというふうに考えますが、今後この協議会をより有効に活用していくお考えはないのかということを伺います。
 また、お手元に配付させていただきました資料の3の福祉分野に農作業をということでのこのパンフレットですが、これについては特別に県や国から通知がなかったために知らなかったということでありますが、しかしこの内容を見てみますと、見ていただければわかると思うのですけれども、問い合わせ先として各市町村ですとか、農業委員会ですとか、またちょっと後半のほうになりますと、福祉関係のほうに問い合わせをということで書かれているのですね。なので、1回目のご答弁でも積極的にキャッチをしていきたいということでご答弁あったわけでありますけれども、当局としてさまざまな課題が、市内の農業政策の中でもさまざまな課題があると思います。その課題解決のためには、積極的に情報をキャッチしていくという、自主的にキャッチしていくという姿勢が必要だと思いますが、それについてのご所見を改めて伺います。
 また、今回の質問において、このパンフレットの存在や国の動きや施策についてお知りになったかと思います。そこで、今度どのような対応を図っていかれようとするのか、農業と福祉の連携についてどのような対応を図っていかれようとするのか、またこの農業と福祉の連携ということに関しましては庁内の連携の場が必要だというふうに感じておりますが、当局のご所見を伺いまして、2回目の質問とさせていただきます。

<市長(遠藤三紀夫君)>
 ふるさと納税の関係なのですけれども、PRをしないかというようなことについて、担当からまたそれは担当の立場で答えさせたいと思うのですが、やはり何が問題かというと、地方創生という中でふるさと、その地方のいいところ、名産品、特産品ですとか特徴あるもの、そういう産品というものを全国的にPRをして売り出していきたいと、そしてそれをやはり消費者につかんでいただきたいと、そういう願いは各自治体みんな持っていると思うのですね。それによって地域おこしをやっていきたい、それはそれで私はすばらしい気持ちだと思うし、それはそれでやっていくべきだと思うのです。
 しかし、そうした地域おこしという部分、それからあと、先ほど議員もおっしゃられましたけれども、特徴ある施策を示したことによって、それによって寄附を募る、それは企業版のいわゆるふるさと納税という部分もそうなのですけれども、何やら今回、このふるさと納税の制度については本来の趣旨とは全然違った方向へ、この制度の運用だとか、ある面ではこれで、例えば固有名詞を挙げれば宮崎県の都城のように、思ってもみなかったような大変な寄附収入が入ってくるようなところが出ているということで、それならば我が町もということで、次から次へとこれに対して後から参入している皆さんがいらっしゃるということ。だから、地域おこしという部分では、私、悪いと思わないのですよ。ただ、これがふるさと納税という本来あるべき制度とは違った方向へ行ってしまっていることが問題であって、それについても総務省も今、制御不能になっているのではないかというふうに思うのですね。そこのところはやはり原点に返る必要があるというふうに私は思いますし。
 もう一つ言えば、我が国日本というのは、例えばアメリカなんかと比べて寄附という行為に対して極めて後進国だというふうに思うのですね。ですから、善意の寄附というもののあり方について、国民全部がやはりしっかりと捉えた中で考え直していくいい機会になるのではないかというふうに思うのです。
 ということで、私はこの例えば我が町、座間が、ではその次元におりて、では我が町の特産品なり名産品なりというものを返礼品に用意しますと言ったところで、率直に申し上げて、今申し上げた、例えばどこぞのズワイガニを送り返すだとか、銘柄牛を送り返すだとか、そういったようなもう全国的にブランドになっているものを送り返すなんていうところとは全く勝負にならないと思うのですね。県内でも、えっ、これがおたくのというふうなものをお返しになっていらっしゃるところもおありになるわけで、そうした点について業を煮やして総務省からおふれが回っているというのが現状だというふうに思うのですけれども。
 ここについては、実際に私どもに対して寄附をいただくという制度はこれまでもあるわけでして、それについてやはりきちんと、いただいた浄財についてはこれまでも活用させていただいているわけですし、そのあたりについてはきちんと整理をして対応していきたいというふうに思うわけです。
 ということで、返礼品を送ってまでの本件に対しての対応は行うつもりはないということで、改めて申し上げておきたいというふうに思います。
 以上です。

<企画財政部長(小林優君)>
 ふるさと納税の関係で、積極的なPRについていかがという再質問をいただきました。
 本市においては、五つのあるふるさとづくりの使途の分野がございます。こちらのふるさとづくり基金の制度につきまして、本来の寄附の趣旨を十分理解してもらうようPRを図っていきたいと考えております。

<環境経済部長(渡部稔君)>
 何点か再質問をいただきました。
 まず、国や県の動きなどに関する情報の伝達方法、再生協議会を通じてということでございますが、農業者に知らせるべき情報につきましては、座間市農業委員各生産支部代表者である座間市農業生産嘱託員等を通じ周知をしてまいりたいと思います。また、自然災害に関する情報につきましては、さがみ農業協同組合、座間営農経済センターとも連携しながら情報の提供、収集に努めております。最初に申し上げました生産嘱託員等を通じ、こちらにつきましても現在、周知を行っております。
 それから、座間市地域農業再生協議会の有効活用についてということのご質問でございますが、座間市地域農業再生協議会は、水田に関する事務や農業経営改善計画認定申請書の審査事務を行うなど、有効に活用されているものと考えておりますけれども、今後においても本市の実績に合った有効活用ができるよう研究してまいりたいと思います。
 それから、国や県の動きを自主的にキャッチしていく姿勢と今後の対応についてというご質問をいただきました。
 情報提供や情報共有が必要だということは十分承知をしております。国や県において、法改正も含め新たな制度等が創設された場合は、当然ながら国や県から情報提供されるべきものと考えております。情報提供がされないということは、農業と福祉の面を含め、市民にとっても大事な情報が伝わらないことにもつながりますので、速やかな情報提供について県に求めるとともに、国や県のホームページ等を定期的に閲覧するなどして情報収集に努め、庁内連携が必要かどうかも含めて調整してまいりたいと思います。いずれにいたしましても、農業者の目線、立場に立って対応してまいりたいと思います。
 以上でございます。

<議長(京免康彦君)>
 再質問ありませんか。――佐藤弥斗議員。

再質問

 ご答弁をいただきましてありがとうございました。
 市長のほうから、ふるさと納税について、地域おこしという部分を行っていくということに関しては否定をするものではないと、それはそれで立派なことだということでご答弁がありました。ただ、その返礼品まではするお考えはないということでありましたが、座間市を見ますと、今、もちろんずっと座間市に住んでいらっしゃる方もいらっしゃいますし、座間市がふるさとになっている方というのも多くいらっしゃると思うのですね。最近、お盆ですとかゴールデンウイークだとかいうときに座間市に帰ってきているというふうにいる方がたくさんいらっしゃるなということを肌で感じるわけでありますけれども、そういった方々にとってはこのふるさと納税、育てていただいた座間市に恩返しをするきっかけの一つとしてふるさと納税というのはすばらしいチャンスなのではないかなというふうに思いますし、また、そういった方たちに、離れている方たちに座間市を思い出していただくもの、例えば座間水ですとか、座間の名産品、さまざまな商店でもいろいろ努力をされていらっしゃる名産品もございます。そういったものをということで、今、全体的に違う流れがあるからうちはやらないというのはまたちょっと違うのかなというふうに私は思います。ぜひそこは前向きに検討していただけたらというふうに思います。そうでなくては、市長はそういったことに消極的なのではないかというふうに市民の方に思われてしまっては、それは大変残念なことだというふうに思います。大変強いリーダーシップも持たれていらっしゃいますし、そういった印象を持たれてしまうのは大変残念なことだというふうに思います。ですので、座間市をこのようにしていきたい、どうぞ力をかしてくださいといった強いリーダーシップというのが大変必要だと思いますし、また、市民と膝を交えて話し合い理解を求めて座間市の未来をつくり上げていくという、そういった姿勢も必要なのではないかというふうに思っております。
 ぜひもう一歩、積極的な姿勢で、企業版のふるさと納税これから、今はふるさと納税の今回、一般の皆さんのふるさと納税の影響額ということで伺いましたけれども、これから企業版のふるさと納税が各地で、地域再生計画がつくられ各地で行われていきますと、これがまたさらに座間市としては大切な財源が市外に出ていくといった形になってしまいます、それをやはり何としてでも座間市としても魅力のあるまちづくりをしながら食いとめていく、座間市として財源をしっかりと確保していくという、そういった積極的な姿勢も必要だというふうに考えておりますので、もう一度ご所見をいただけばと思います。
 以上で一般質問とさせていただきます。

<市長(遠藤三紀夫君)>
 座間のまちの財源を確保していくこと、これは当然大事です。そして、座間のまちのPRも大事です。そして、座間のまちに対して愛着を持っていただいている方に浄財を寄附していただくことも、これも大いにありがたいことです。しかし、先ほど来申し上げているように、今般のこの政策が返礼品をという競争になってしまっている以上、私はこれに乗るつもりはございません。本来あるべき姿に戻すべきだというふうに私は思っております。この関係、きちんと地方は地方でふるさと納税、ふるさとに対して思いを持っていただいた方に税をいただけるシステムはございます。そうした気持ちに従って出していただける、それが本来あるべき姿であって、地方同士の返礼品競争に出してしまっていることに一歩足を踏み込む、そういう気持ちには私は一切なれません。
 しかしながら、それが市民にとってマイナスイメージだというふうに捉えられるのであれば、それはそれできちんと説明をしてまいりたいと思いますし、私の気持ちを説明してまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。

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