—座間市ホームページ会議録より抜粋—
開催日:平成27年 3月6日
会議名:平成27年第1回定例会(第4日)
【質問項目】
1 戦略プロジェクトについて
2 防災・減災教育を生かしたまちづくりについて
(1)シェイクアウト訓練の評価・効果・今後の展開について
(2)地域コミュニティー醸成における効果について
(3)教育分野における効果について
3 長期ビジョンを踏まえたまちづくりについて
(1)公共施設や空き家の活用について
(2)コミュニティーの醸成について
(3)シティズンシップ教育について
一般質問
<議長(伊田雅彦君)>
続きまして、8番佐藤弥斗議員。
〔8番(佐藤弥斗君) 登壇〕(拍手)
議長のお許しをいただきましたので、議席番号8番、ざま大志会、佐藤弥斗、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
戦略プロジェクトについて
まず、戦略プロジェクトについて伺ってまいります。
遠藤市長が平成20年に就任をされ、平成22年に第四次総合計画が策定されたわけでありますが、従来の総合計画との大きな違いとして、基本構想実施計画のほかに重点目標に対する具体的な戦略を明確にした戦略プロジェクトを策定したことにあると思います。
基本構想は、10年後、平成32年のあるべき姿を示し、それを実現するために必要な政策、施策の方向を示し、5年をめどに見直すこととしています。また、実施計画は基本構想で定めた施策の方向に基づく具体的施策事業で、毎年度の予算編成の指針となるもので、計画期間は4カ年、2年ごとのローリングをするとしています。そして戦略プロジェクトは政策、施策、事業という計画階層にこだわることなく、市民が市政に取り組みを期待している最重要課題を中心に重点目標として掲げ、その達成のための具体的な戦略を明確にしたもので、期間は4カ年、2年ごとにローリングするとしています。平成23年度から平成26年度までの戦略プロジェクトの取り組みと今後の展開について伺います。また、平成27年度から平成30年度までの後期戦略プロジェクトの選定理由と内容についてお示しください。
防災・減災教育を生かしたまちづくりについて
続きまして、防災・減災教育を生かしたまちづくりについて伺ってまいります。
まず、1点目として、シェイクアウト訓練の評価、効果、今後の展開について伺ってまいります。
シェイクアウト訓練は、平成20年に防災関係者たちが発案をし、アメリカの南カリフォルニア州で始まった新しい形の訓練で、指定された日時に参加者がそれぞれの場所で自身の身を守るために一斉に行う統一行動訓練です。現在では、アメリカのほかに日本、ニュージーランド、カナダ、イタリアなど世界各国で実施されるまでの規模に発展しています。シェイクアウトは地震をやっつけるという意味の造語であります。
日本では、平成24年3月に東京都千代田区が初めて実施し、座間市は既にその時点で職員を訓練に見学者として派遣をし、同年8月には神奈川県初になる訓練実施を発表し、平成25年1月23日に第1回目の訓練を実施、その後、平成27年1月まで計3回の訓練を行ってまいりました。そして、平成26年11月に行われた日本版シェイクアウト実施報告会説明会において、全国の代表事例として座間市の取り組みが発表されました。また、平成27年3月14日、仙台市で開催されます第3回国連防災世界会議で、座間いっせい防災行動訓練、シェイクアウト訓練の報告をしてほしいとの要請が防災会議事務局よりあったというふうに伺っております。
座間市が選考された理由は、座間市の訓練運営が長期にわたっており、行政と市民団体の協働事業として取り組まれていること、また多くの自治体もシェイクアウト訓練を行っていますが、そのほとんどが打ち上げ花火的な一発型のイベント化しているそうですが、その中でも座間市はその他の協働事業政策と連携して行われており、安全防災課、消防、座間市社会福祉協議会、またその他の市民団体などの活動中で得られると思われるものをロードマップ化して、災害の学びを重ねながら、そのゴールにシェイクアウト訓練を設定していることなどが評価されたというふうに伺っております。私は、このように全国の先進事例として紹介されること自体が、シティープロモーションになっているというふうに高く評価するものですが、シェイクアウト訓練の当局の評価、効果、そして今後の展開について伺います。
続きまして、地域コミュニティ醸成における効果について伺ってまいります。
座間市では、座間市自治会総連合会を初めとして、各単位自治会、当局などにおきましてもさまざまな自治会加入促進策を講じており、それぞれにご努力をしていただいているところでありますが、加入率は約54%と低迷している状況にあります。しかし、大規模災害などが起きたときには、地域はまとまらざるを得ない状況になります。ですから、減災活動、災害対応活動への意識啓発を進めると、地域コミュニティは活性化するというふうに私は考えておりますが、当局の見解について伺います。また、そういった視点での地域コミュニティ醸成への取り組みについての当局の今後の考え方について伺います。
3番目に、教育分野における効果について伺ってまいります。
本市は平成25年7月24日に、災害から身を守る判断力や行動力を身につけるジュニア防災検定の自治体受検第1号として実施を決定し、平成25年12月8日に第1回の検定を希望者に向け実施しました。また、平成26年度からは予算化し、座間小学校の6年生が授業内で受検をいたしました。同検定を授業に取り入れるのは、県内自治体の公立校では初めてであり、予算づけをして検定を行う自治体は県内では座間市のみ、全国でも8自治体だけだというふうに伺っております。
ジュニア防災検定は、平成25年に設立された一般財団法人防災検定協会が全国各地で展開しており、小・中学校の防災意識を高めることが狙いです。検定は、家族で防災について話し合う事前課題、災害から生き残るための判断力などを問う検定テスト、防災をテーマに自由研究する事後課題の3段階から成っており、その総合評価が70点以上を獲得すると合格証書とJBKバッジが進呈される仕組みになっております。基準に満たなかった場合でも再チャレンジできるとのことであります。ジュニア防災検定の評価、効果、反省などの総括と、今後の展開に対する当局のお考えについて伺います。
私は、ざま災害ボランティアネットワークの会員でもあるわけでありますが、その活動の一環として、ある高校に減災活動、災害対応活動の授業のお手伝いをしたことがあります。そのときの実体験をもとにお話をさせていただきますが、初めは余りやる気がなく、だらだらとした感じの学生が多く見受けられたわけでありますが、授業が進むにつれ、目が輝き、やる気が見られるといった変化が見られました。その光景を目の当たりにし、減災活動、災害対応活動教育を通して、自分の命は自分で守るという危機感を持つことによって、命の大切さを学び、さらに助ける人になるという気持ちが生まれ、その心の芽生えが社会に貢献するというボランティア精神の広がりになるのではないかというふうに私は推察をするものですが、当局のご所見を伺いたいと思います。また、そのような視点での今後の教育活動への取り組みの手段、方法などのアプローチについて、何かお考えがございましたらお示しをいただきたいと思います。
長期ビジョンを踏まえたまちづくりについ
続きまして、長期ビジョンを踏まえたまちづくりについて伺ってまいります。
政府は50年後の日本のあるべき姿を示した、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンと、これを実現するための今後5カ年間の目標や施策や基本的な方向を提示する、まち・ひと・しごと創生総合戦略を取りまとめ、平成26年12月27日に閣議決定をしました。長期ビジョンは、2060年に1億人程度の人口を確保する中長期展望で、一つとして東京一極集中の是正、二つ目として若い世代の就労、結婚、子育ての希望の実現、三つ目として地域の特性に即した地域課題の解決を三つの基本視点としています。また、まち・ひと・しごと創生総合戦略は、基本目標1、地方における安定した雇用を創出する、基本目標2、地方への新しい人の流れをつくる、基本目標3、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる、基本目標4、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携するとなっています。
地方への多様な支援と切れ目のない施策の展開をするために、地方自治体においても平成27年度中に地方人口ビジョン、地方版総合戦略の策定に努めることになっております。また、策定のポイントとしては、地域経済分析システム、ビッグデータ等を活用し、地域特性を把握した効果的な政策立案、明確な目標、KPI、重要業績評価指標を設定し、PDCAサイクルによる効果検証、改善、地方公共団体を含め産官学金労言、女性、若者、高齢者など、あらゆる人の協力、参画を促す、また地方議会も策定や検証に積極的に関与する、おのおのの地域での自立的な取り組みと地域間連携の推進とのことであります。
そこで、国の示した長期ビジョンを踏まえた上で、何点か伺ってまいりたいと思います。
まずは、公共施設の活用でありますが、
本市では少子高齢化が進む中で、身の丈に合った良質な資産として次世代に引き継ぐために公共施設のあり方については、平成25年3月に座間市公共施設白書を取りまとめ、平成26年12月に座間市公共施設利活用指針案を作成し、パブリックコメントを終え、仮称、公共施設再整備計画を策定していくとのことであります。指針の中でも公共施設の統廃合や複合化などの考えも示されております。
私は、今後、学校の統廃合というのは、学区などのことも考えますとなかなか難しいのではないかというふうに思いますが、例えば学校の余裕教室などに地域にコミュニティの場や高齢者の活動の場、また子育て中のママさんやパパさんといった地域で孤立しがちな方々の活動の場を取り入れていくことや、学校図書室の地域への開放なども考えていかなくてはならないんではないかというふうに思っております。例えば埼玉県志木市などで行っております小学校、公民館、図書館といった複合施設などは大変参考になるかというふうに思いますが、こういった発想が公共施設の統廃合や複合化には必要だと考えますが、当局のご所見を伺います。
続きまして、空き家の活用でありますが、
総務省の統計によりますと、平成25年10月1日現在、日本の総住宅数は6,063万戸で、5年前と比較すると304万戸の増加で、増加率は5.3%となりました。平成10年からの15年間では、総住宅数が1,000万戸以上増加しております。一方、空き家数は820万戸となり、5年前と比べて63万戸、8.3%増加し、空き家率は13.5%となり、空き家数、空き家率ともに過去最高となりました。また、増加した空き家63万戸のうち、1戸建てが8割を占めるということであります。また、欧米と日本の住宅状況の比較ですが、1世帯当たりの住宅数は、フランスでは1.21戸、日本では1.13戸、アメリカでは1.11戸、イギリスでは1.03戸、ドイツでは1戸。持ち家率は、イギリスでは67.3%、アメリカでは66.9%、日本では60.3%、フランスでは54.7%、ドイツでは40.1%。人口1,000人当たりの中古住宅流通量でありますが、イギリスでは21.96戸、アメリカでは16.35戸、日本は1.25戸となっており、日本の住宅数は世帯数を超えて欧米並みであり、また持ち家率も欧米並みとなっていますが、中古流通では大きな格差が出ています。1戸当たりの面積も持ち家は十分ですが、借家は不十分となっております。
このような状況下で、現在でも空き家問題は地域での課題となっていますが、このまま対策を打たなければ、2040年には空き家率が40%を超えるという推計も出ています。これからは国や地方自治体でも空き家に対する積極的な施策の展開を考えていかなくてはならないと思います。例えば都内ではこういう取り組みも始まっているのですけれども、高齢者と若者とのシェアハウスに対する取り組み、それに対しての助成を国ですとか、自治体でも行っていかなくてはいけないんではないかと思います。また、高齢者や障がい者のグループホームへの転換に対する助成、現在でもあると思うのですが、そういったものの拡充ですとか、自治会館、集会所への転換に対する助成の拡充、また緑地や耕作地への転換に対する助成なども必要になってくると考えますが、当局のご所見を伺います。
次に、コミュニティの醸成についてでありますが、
今後の10年後、20年後を考えますと、さらにネットワーク化、ペーパーレス化が進むと予測されます。そうなると現在の自治会の回覧板や市や公共団体などから発行されているお便り、広報紙などもなくなるという可能性もあると思います。そうなりますと、より一層、現在の地域コミュニティは崩壊していくんではないかというふうに思うのですが、地域コミュニティの醸成は隣近所の助け合いの心を育み、地域住民の孤立化を防ぐといった面からも、また子供たちの情操教育といった面からも、そして防災や防犯の面からも、そしてさらに市との協働という面からも必要不可欠であり、大変重要なことだと考えております。今後はさらに積極的に地域コミュニティを形成していくような施策の展開が必要だと考えます。
これはちょっと先ほどの質問とも重なってしまうのですが、コミュニティの醸成という観点から、現在ある公共施設のさらなる活用、例えばコミセンや学校に子育て支援センター的な要素や高齢者の地域サロン的な要素を、また地区社協的な要素などといった積極的な活用も考えられると思います。地域コミュニティの醸成に向けたさらなる積極的な施策の展開について、当局のご所見を伺います。
続きまして、市民として自覚を持たせ、市民性を養うシティズンシップ教育について伺ってまいります。
長期ビジョンは50年後を見据えた展望であります。皆さん、50年後を想像してみてください。皆さんはお幾つになっていらっしゃるでしょうか。ちなみに私は95歳でありまして、そのころどうなっているかなということを想像するわけでありますけれども、そのころの時代を担っているのは、現在の小学生以下のお子さんや中学生、高校生といった若者たちになると思います。私は長期ビジョンやそれを踏まえた施策、また、これからの公共施設の利活用を考えていくには、未来を担う子供たちの意見を反映させていくという視点も必要だと考えますが、当局のご所見を伺います。
また、未来を担う子供たちの意見の聴取、そして今国会には選挙権の年齢を18歳に下げる公選法の改正案が再提出されているということも含めて考えますと、子供たちに市民としての自覚を持たせ、市民性を養うシティズンシップ教育は欠かせないというふうに考えます。現在、小・中学校で取り組まれているシティズンシップ教育についてお示しください。また、今後シティズンシップ教育をどのように取り組んでいくのか、当局のお考えを伺いまして、1回目の質問とさせていただきます。(拍手)
<企画財政部長(佐藤伸一郎君)>
平成23年度から平成26年度までの戦略プロジェクトの取り組みと今後の展開についてご質問をいただきました。
戦略プロジェクトは、第四次座間市総合計画を確実に推進するため、政策、施策、事業の計画階層にこだわることなく、重点施策の具体的な戦略を明確にしたもので、平成23年度から平成26年度までの4カ年をプロジェクト期間として、7分野10事業のプロジェクトについて目標達成に向けて取り組んでまいりました。
4年間を振り返って、10事業のプロジェクト中、住民と協働による相模が丘仲よし小道再整備を初めとする5事業のプロジェクトは、当初の目標を達成。「公共施設の利活用指針を定め、身の丈に合った良好な資産として次世代に引き継ぎます」では、当初の指標目標である公共施設利活用指針を策定し、今後は総合管理計画や再整備計画策定に向け、新規戦略プロジェクトとして移行し、「保育園の建て替えを進めます」では、当プロジェクト期間に策定した保育園整備計画をもとに、今後、民間移管に関する課題の解決を行い、新規プロジェクトに統合し進めてまいります。「市の東西軸として座間南林間線を整備します」では、現在整備に着手しており、計画では約0.4キロメートル区間を市道17号線から入谷バイパスまでの約0.9キロメートル延長し継続してまいります。「高齢者の自立した暮らしを応援します」では、見守りネットワークを構築し、「支え合いの仕組みをつくります」として、また「自治会の活性化に向け支援します」については、継続して進めてまいります。
このように、平成23年度から平成26年度までの4カ年の戦略プロジェクトは、6事業が目標を達成し、そのうち1事業は新たな新規プロジェクトとして移行し、未達成の4事業のうち1事業は新規プロジェクトに統合し、残る3事業については継続して進めてまいります。
平成27年度から平成30年度までの戦略プロジェクトについてご質問をいただきました。
新規プロジェクトとしては、消防・防災・減災活動の新たな拠点として新消防庁舎の建設。総合病院の建設により、市内救急医療体制の強化とあわせ、より充実した救急医療体制を整え、市民が安心して暮らせる環境整備。自然災害、犯罪及び感染症等、市民生活を脅かす多様化するリスクに対し、市民生活の安全・安心を確保するため、総合的な危機管理の向上。新子育て制度に伴う幼稚園や保育園の環境整備、相談体制の充実、地域による子育て支援、放課後児童対策、少子化対策等を一体的に行い、全ての人が楽しく子育てできる環境整備。観光文化産業、人などの市の地域資源を市内外へ発信し、積極的にシティープロモーション体制の整備。仮称、公共施設等総合管理計画及び仮称、座間市公共施設再整備計画を策定し、公共施設の適正配置と計画的な維持管理。大型商業施設の開業や周辺交通環境の変化に対応するため、交差点改良や道路拡幅等を行い、円滑な交通環境を確保するため、小松原交差点、市道38号線を整備。
以上7事業を位置づけ、平成23年度から平成26年度までの継続3事業を含めた10事業を、平成27年度から平成30年度までの戦略プロジェクトとして位置づけをさせていただきました。
なお、平成27年度は第四次座間市総合計画の後期計画の見直し年度であり、見直し作業の中で、当プロジェクトに追加、修正が生じた場合には改定をさせていただくこととしております。
<市民部長(野本利之君)>
シェイクアウト訓練の評価、効果、今後の展開について質問をいただきました。
まずは、シェイクアウト訓練の評価ですが、座間市いっせい防災行動訓練、シェイクアウトプラス1 2015inZAMAは、今回で3回目の訓練でありまして、市民の皆様には安全行動のほかに安否確認や避難訓練などのプラス1訓練を実施していただきました。市の庁舎などでは地震発生時の来庁者への対応及びプラス1の訓練として各部署における初動体制の確認とその対応、災害対策本部の設置訓練、エレベーター閉じ込め救出訓練、昨年同様に座間警察署、陸上自衛隊第4施設群から情報連絡員の派遣を受けるとともに、ことしは県からの災害時情報収集連絡員の派遣も受けることができました。また、通信訓練として、災害時相互応援協定に基づく秋田県大仙市、福島県須賀川市の協力を得て、応援体制の準備要請及び在日米陸軍との被害状況の情報共有の訓練が実施できたこともさらなる連携の進化であり、総じて災害初動期の対応として、実践的で現実感を伴った訓練ができたと評価しております。さらに、この訓練の参加登録者数は、目標としておりました5万人を上回り5万2,753人、昼間人口の50%以上にも及びました。これは市民等に訓練の趣旨が浸透するとともに、座間市が一丸となって防災・減災に取り組む姿勢をシェイクアウト訓練の先進市として市内外に示すことができたものと考えております。
次に、シェイクアウト訓練の効果ですが、市民や企業などの皆様に、その日、その時刻に、そのときいる場所で、実際に地震が発生した場合、どう対処し、どう行動するか、これを考えていただきながら防災意識を高め、自助の精神を身につけていただく機会とすることができたと思っております。また、誰でも簡単に参加でき、自宅や会社での日ごろの防災対策を考えるきっかけづくりに大変効果があったものと考えております。さらに、ことしは災害時相互応援協定を結ぶ大仙市においても、同日、同時刻に、職員ら約1,000名がシェイクアウト訓練を行いまして、地震発生時の初動確認を試験的に実施いたしました。これは座間市のこの取り組みに関する提言が広がったその効果だと考えております。
最後に、シェイクアウト訓練の今後の展開についてですが、シェイクアウト訓練の認知度、参画意識等が浸透してきたことから、参加登録者数の増加を目指すのではなく、避難所開設のための避難所運営委員会の行動など、市民によるプラス1訓練の拡充を図り、さらなる防災・減災意識の高揚が得られることを期待しております。また、市の職員に対する訓練といたしましては、災害時をイメージした職員参集訓練、被害想定に基づく関係機関との連携、対応など、プラス1訓練の質の向上につながるような訓練の企画を考えております。
防災・減災の取り組みにおける地域コミュニティの活性化についての質問をいただきました。
座間市の防災・減災活動に関しては、「生き残らなければ何も始まらない」、これをキーワードとして平成24年度から自助・共助・公助、それぞれが被害の軽減や災害対応能力を高め、連携するということを意識した取り組みを展開してまいりました。自治会、自主防災組織は、いざというときに力を発揮し、特に災害時には地域の協力体制のかなめでありまして、自分たちの地域を自分たちで守る重要な組織と認識しております。
阪神・淡路大震災から20年、東日本大震災から4年ほどたちますけれども、災害が頻発する我が国で、日ごろから自分の身は自分で守る、つまり自助、地域での助け合い、共助、この考え方が市の事業であります防災・減災講座などにより広く行き渡り、防災・減災意識が高揚し、地域防災力が向上することによって、地域コミュニティが活性化することを期待しております。また、地域の活動、そして行事、これらと防災・減災活動を結びつけることによっても、地域コミュニティの活性化につながる効果が得られるものと考えております。
次に、今後の取り組みですが、引き続き「生き残らなければ何も始まらない」、これをキーワードとして防災・減災講座など、市と市民団体との協働事業によって、防災に関する正しい知識や技術の習得を通じて、地域コミュニティの醸成につながる取り組みを検討してまいりたいと考えております。
次に、空き家問題の対策、そういう施策の展開についてですが、空き家対策については、庁内の関係する部署が集まりまして、空き家問題に関する会議を実施し、全庁的に連携して取り組むんだという方向性が確認されております。また、昨年11月19日に空き家対策の推進に関する特別措置法が成立し、さまざまな条件や規制が整理されまして、空き家問題の解決に向けて大きく前進いたしました。平成27年5月下旬には、この法律が全面施行されることとなり、そのような中、さまざまな状況の変化を受けとめながら、空き家の有効な活用について今後の対応を考えてまいりたいと思います。
あと、コミュニティの醸成のため、公共施設の活用というご質問をいただいております。
議員おっしゃるとおり、コミュニティの醸成はさまざまな面で大変重要な課題であります。このことは私どもも同感であります。コミュニティセンターは住民相互の交流を図り、連帯感にあふれた地域社会づくりを推進する施設として位置づけられておりまして、利用者は年々増加傾向にあります。コミュニティセンターの保育室では、子育てママ同士の情報交換が行われ、大集会室や休養室、談話室等を利用してのサークル活動では、さまざまな年代の方々が趣味や健康増進を行っておりまして、毎週水曜日、金曜日の15時から17時は大集会室を開放することで、多くの子供たちや幅広い年齢層の方々が憩う場として、これはもう既に活用がなされております。地域コミュニティの醸成を考えたときに、コミュニティ活動は幅広い年齢層を対象に、多角的に捉えることが大変重要だと考えておりまして、コミュニティセンターのさらなる活用ということについては、公共施設の利活用指針等を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
以上です。
<教育長(金子槇之輔君)>
ジュニア防災検定の評価、反省、今後の展開についてのご質問をいただきました。
「災害に生き残る「判断力・行動力」、みんな支え合う「思いやりの心」の育成、地震に備えた意識づくり」をテーマに、2年間の研究を行っている座間小学校の6年生121名が検定試験を受けました。この検定は、事前の課題学習、検定試験、事後課題への取り組みとレポートの提出による構成であり、その過程では、子供たちがそれぞれの家庭で保護者とともに考えを深めていくものとなっております。
今月の27日にはジュニア防災検定表彰式が予定され、受検者の中から成績優秀者として2名、さらに事後課題優秀賞にも身近にあるものでつくる防災グッズのレポート提出した4名が選ばれております。また、1回目の受検で合格できなかった子供にも再チャレンジの機会があり、各家庭で保護者とともに問題に取り組みます。今回もこの再審査を受け合格しております。
評価、反省につきましては、昨年の12月2日に行われましてから約3カ月たちますが、座間小学校の今年度校内研究テーマでございます、温かい学級経営や市の教育課程等研究推進委託校としての研究テーマでございます、「みんなで支え合う思いやりの心の育成」と相まって、それぞれの命を大切にし、地域に生きるきずなが深まりました。また、その思いが子供たちの心に新たな力を与えているように思われるなど、日々の学校生活の中で自他の安全を意識高く考えようとする場面なども見受けられるようになってきたと現場からの声も届いております。今後の成長も楽しみであります。今後の展開につきましては、2年間の研究ですので、来年度も座間小学校での取り組みを継続してまいりたいと思っております。
次に、防災教育の効果についてのご質問でございますが、単なる防災知識の習得ではなく、実践的な防災・減災への学びの中で、家庭での話し合いを行い、家族、地域の人と人との結びつき、そのきずなを強く意識させていく取り組みと考えております。阪神・淡路大震災や東日本大震災等で多くの方々のとうとい命が失われました。防災・減災の学習を通して命を考え、ふるさと座間にともに生きる、人としての責任、連帯感を子供たちの心の中に育てていけるのではないかと考えております。
次に、シティズンシップについてのご質問をいただきました。
シティズンシップ教育は、変化の激しい現代社会で、子供たちが将来市民としての十分な役割が果たせるように、近年、欧米諸国を中心に学校教育に導入されてきているものであります。政治的な無関心、社会的な責任感、法の遵守、地域社会とのかかわり等を教えていかないと民主主義の未来がないという危機感からのようであります。神奈川県においても、平成21年にシティズンシップ教育推進のためのガイドブックがつくられております。市においては、これからの社会を担う自立した社会人ということで考えますと、郷土の先人、鈴木利貞先生の座間幼年会がございます。その夜のお話会で子供たちに対し、いじめや差別のない理想の社会を説きました。また、そこで自主自立の教えを受けた子供たちが決めた約束事、柿の木の下の誓いは、現在の子供たちが話し合い考えた「ざまっ子 八つの誓い」へとつながっており、自治活動は伝統となっております。
豊かな心を育むひまわりプランでは、こんな大人になってほしいと、将来あるべき大人像を具体的に示し、これにのっとって学校、家庭、地域で同じ方向を目指し、将来を担う力を持った子供たちを育て導いていくことは、一人一人が主体的、かつ意欲的に社会参加する成熟した市民社会がつくられていくのではないかと思います。現在、それぞれの小・中学校で違いはございますが、児童会、生徒会の選挙や自主遠足、各学校行事での異学年交流、ボランティア活動では地域のごみ拾い清掃や花畑づくり、ワクチンのためのペットボトルキャップ集め等、そして生徒総会などで子供たちみずからが企画、運営に知恵を絞り、汗を流す活動がございます。よりよい社会の実現に向けて、規範意識を持ち、社会や経済の仕組みを理解するために必要な知識や技能を身につけ、社会人として望ましい社会を維持運営していく力を養うシティズンシップ教育の土台として、ひまわりプランに沿った教育が大切だと考えております。
残りにつきましては部長から答弁申し上げます。
<教育部長(大澤明彦君)>
それでは、残された部分につきまして、私のほうから答弁をさせていただきます。
まず、シティズンシップとの関係で、長期ビジョンの策定や公共施設の整備活用には、これからの未来を担う子供たちの意見を取り入れてはと、このようなご質問をいただきました。
ただいま教育長より答弁をしていただきましたように、将来を担う子供たちを育て導いていくことで、一人一人が主導的かつ意欲的に社会参加することが大切であり、そのような中から子供たちの間接的な意見も出されてくるものと考えております。
次に、余裕教室を利用した地域サロン、学校図書室の地域への開放についてお尋ねをいただいております。
余裕教室の利活用につきましては、基本的には学校教育の中での教室としての機能でございますので、教室がまず基本であるものと考えておりますが、今後、放課後子ども教室等での使用について検証をしていかなければならないものと考えております。
なお、現在の教室の状況でございますが、少人数学級や特別支援学級などが開設され、余裕教室も少ない状況でございます。余裕教室の地域での活用や学校図書室の地域への開放につきましては、施設管理やセキュリティーなど安全上の問題があり、今後の検討課題であるものと認識をさせていただいております。
<議長(伊田雅彦君)>
再質問ありませんか。――佐藤弥斗議員。
〔8番(佐藤弥斗君) 登壇〕
ご丁寧なご答弁をいただきましてありがとうございます。
まず、戦略プロジェクトについてでありますが、終了する戦略プロジェクトが7項目あり、そのうち5項目は指標に達成したということ、そして2項目は新しいプロジェクトのほうに統合していくというご答弁だったかと思うのですが、その終了した戦略プロジェクトの中でも、さらに継続を、戦略プロジェクトとしてではなく、さらなる継続をして発展をしていかなくてはならないであろうと思われるものもあるわけですけれども、例えば「地球環境に配慮したライフスタイルに転換をします」ですとか、「地球に優しい「座間っ子」を育成します」ですとか、ひまわりまつりの関係などは、さらに発展をさせていかなくてはならない部分ではないかというふうに思うのですが、そのあたり、終了したプロジェクトの中でも、目標は達成したけれどもさらに今後どういった形でこれからの実施計画の中でこれを生かしていくのか、そのあたりのご見解をお示しいただければと思います。
それから、シェイクアウト訓練についてでありますが、本当に3回目で昼間人口の50%ということで5万2,753名。本当にこれだけの人数の、例えば市で総合防災訓練をしましても、それだけの人数が参加するということ自体がまず難しいことでありまして、本当に大変効果的なすばらしい訓練だというふうに思いますし、当局の取り組みとしましても、座間警察ですとか、米軍の関係ですとか、そしてまた秋田の大仙市、須賀川市との同日同時刻での訓練ですとか、そういったこともされて、本当にすばらしい成果が出ているというふうに思います。
今後はその人数的なものではなく、内容を充実させていくということですけれども、ちょっとこの、先日、市のほうで火災のほうの訓練があったわけですけれども、私もたまたま市庁舎のほうにおりまして、その際にそれに参加をしたわけですが、なかなかその危機感という部分で、このシェイクアウト訓練と比べますとちょっといかがなものかなと思われる。火災の訓練であるにもかかわらず、私はハンカチを持って、ハンカチを口に当てて避難をしたわけでありますけれども、なかなか実際の本当に火災があったときどうしようというふうな、自主的に考えるようなものではなかったかなというふうに思うのですけれども、そういったものもやはり、このシェイクアウト訓練を手本にしながら実践的なものにしていかなくてはならないと思います。これは答弁結構でありますが、ちょっとそのあたりもぜひ職員の皆さんには危機感を持っていただいて、そういった訓練に取り組んでいただけたらなというふうに思います。
それから、そのシェイクアウト訓練におきましてのコミュニティの醸成における効果でありますが、その効果も認めていらっしゃり、また今後も期待しているということでありますが、答弁の中にはなかったのですが、例えばその避難所開設訓練、避難所の開設運営委員会のほうも随時避難所のほうで今行っているわけでありますが、そういったものも地域コミュニティの醸成の上では大切、効果としてあらわれてくるというふうに思いますが、このあたりのことについての当局の見解を伺いたいと思います。
また、教育分野における効果についてでありますが、ジュニア防災検定のほうも、家庭での話し合いの機会などがあり、大変効果を上げているということであります。また、子供から教わるところが大人のほうもあると思いますし、子供がそういったことを家庭でお話をするということで、なかなか減災の活動ですとか災害対応の活動をしておりましても、なかなか若い世代が巻き込まれてこないというところが課題としてありますので、この子供たちを通して若い世代がそういったことを考える機会があるというのは大変貴重なことだというふうに思っておりますので、さらにこのジュニア防災検定、またそれぞれの学校で防災、減災の授業などもされていると思いますので、そういったものもさらに積極的に行っていただきたいと思います。また、例えばジュニア防災検定のほうも、座間小だけではなく、さらに広げていっていただけたらというふうに考えますが、そのあたりのご見解をお伺いいたします。
それから、長期ビジョンを踏まえてのコミュニティの醸成という部分で、コミュニティセンターの、現在でも大変有効に活用されているというご答弁がございました。おっしゃるとおりだというふうに思いますが、私、先日子育て支援センターのほうにちょっと視察に伺いまして、子育て支援センターのほうは本当にすごく活発に人が、来場者がとても多くて、すごく有効に使われているなということをつくづく実感したわけでありますけれども、部長答弁されたように、確かにコミセンのほうの保育室のほうも使われているわけですが、常時人があふれているという形ではもちろんなくて、もう少し活発に使われたらよろしいのではないかなというふうに思うわけです。子育て支援センター、今度は第3園目が、三つ目が開設されるわけでありますけれども、やはり地域別で、遠い方もいらっしゃいますし、それぞれ駐車場などもあったりしまして車で行かれる方もいらっしゃいますが、気軽に歩いていけるという部分を考えますと、コミセンというのはもっとさらに活用を深めていけたらというふうに私は考えるわけであります。また、地域サロン的な部分とか、さまざまなことを考えましても、もしできるのでしたらば、今後の課題として、今すぐということではなく、長期ビジョンという部分も含めまして、やはり何かの形で人が配置されているというのが、人が来る、人が集まる一つの要素になるのではないかというふうに私は考えておりますので、人の配置という部分でのもしお考えがあるようでしたらお示しをいただけたらというふうに思います。これは今すぐにという話ではなく、長期ビジョンを踏まえた見解ということでありますので、そのあたりよろしくお願いいたします。
また、シティズンシップ教育についてでありますけれども、ひまわりプランに沿った教育を進めていくことがこのシティズンシップ教育の育成になっていくという、大変心強いご答弁をいただいたわけでありますが、さらにやはりひまわりプランを浸透をさらにしていかなくてはいけないのかなというふうに感じましたが、そのあたりの、さらに浸透させていくためにどうしていくのかといったあたりをご答弁いただければというふうに思います。
また、部長のほうから、将来を担う子供たちの意見は、間接的な形でということでお話をいただいたわけなのですが、ご答弁いただいたわけなのですが、これは私の要望的なことなのですが、もしかなうのでしたらば、その利活用指針、さまざまな公共施設の利活用を今、例えば芹沢公園などでこれからの芹沢公園の利活用なども今まとめているところでありますので、そういった場に、例えば中学生ですとか高校生ですとか、そういった方たちも参加をされれば、さらにいいものになっていくのではないかなというふうに私は考えるわけでありますが、そのあたりの見解について伺いまして、2回目の質問とさせていただきます。
<市長(遠藤三紀夫君)>
佐藤議員の再質問の中で、戦略プロジェクトの関係で、終了した後も当然これはやるべきことはやっていくべきではないかというような趣旨でのお尋ねをいただいております。
そもそもこの戦略プロジェクトとはというところに戻るのですけれども、総合計画に示したこの一連の事業の中で、特にこれは強調しておきたいという部分を特出しで期間を定めてお示しをした部分でございます。これは議員からも言っていただいたように、今回の第四次総合計画の特徴でもあるところであろうと思います。ということで、あえてこれを特出しして、その期間に何とか目標を達成することによってまちづくりを進めていきたいという意志のあらわれであろうかと思いまして、これが期間が終了したからといって、当然その趣旨からいって終わるものではございません。あくまでも継続して、目標が達成されたのであれば、それに従って施策は進めていく。達成されていないものについては、さらにこれは当然この計画の中にあることでありますから、継続をしていくわけでございます。例えば、これも例に出していただいたひまわりまつりの関係などについては、ここで戦略プロジェクトで一旦目標を達成したということで終了ということを言わせていただいておりますけれども、当然これはまずはまだまだ発展的にこの事業は展開をさせていくわけでございまして、そうした趣旨のものをこのプロジェクトの中に盛り込んでいるというふうにご理解いただきたいと思います。
以上でございます。
<市民部長(野本利之君)>
避難所開設訓練、これがコミュニティ醸成につながるのではないかというご指摘をいただきました。
この避難所開設訓練に関しましては、平成26年度から避難所運営委員会設置支援事業というのを実施しております。これは市民団体であります、ざま災害ボランティアネットワークとの協同事業で行っているものでございます。避難所の開設、運営を地域の防災力、地域コミュニティのお力を得て実施するものでありまして、地域コミュニティの活性化にこれはつながるものと考えております。
それから、コミセンの活用をさらに深めてはどうかということですが、これに関しましては、市全体の公共施設の利活用の中で考えてまいりたいと思います。
以上です。
<教育長(金子槇之輔君)>
学校における教育課程や行事などは、教職員が十分検討、協議し、学校長が教職員と共通理解を図り決定するものでございます。防災教育の研究、校内研究も同様でございます。今後も各学校の校内研究の状況を把握し、校長と連携を十分に図りながら、座間小に続く防災教育を推進する学校が出るよう努めてまいりたいと思います。
次に、シティズンシップでございますが、豊かな心を育むひまわりプランを策定して4年がたとうとしております。平成23年から10年間を見据えたプランになっておりますので、今後も十分に検証し、推進してまいりたいと思います。
<教育部長(大澤明彦君)>
利活用指針等についての小・中学生の参加についてということで再質問をいただきました。
子供たちの意見等、直接的に取り入れるというようなことにつきましては、大変難しい部分もあろうかと、このように考えておりますが、ご提言として受けとめをさせていただきたいというふうに思います。
<議長(伊田雅彦君)>
再質問ありませんか。
以上で佐藤弥斗議員の一般質問を終わります。